設立の趣旨

思春期に達した子どもたちが、自分自身に向き合い、
自己の発達課題をクリヤーして健やかに成長していけるような
家族や学校・地域の人間関係の実現を目指して、
「子育てネットで健やか思春期・爽やか家族」事業を展開する。

昭和50(1975)年代の荒れる中学校と呼ばれていた時代の教育現場を体験し、
私は中学生から思春期問題に対する多くのメッセージを受け取りました。
生徒たちは、態度で、家庭・学校・地域それぞれの課題を指摘していました。
ただ荒れている、反抗しているのではないのです。
態度で示している次のことに答えが得られない場面でそのような行動をとるしかないほど、
探りあぐね、追い詰められているのです。

・このイライラは何故起こるの、どうすればいいのかきちんと教えて?
・親や先生たちは自分の思春期に何を獲得してきたの?
・本当にこの苦しみに向き合って成長を達成してきたといえるの?

やがて、昭和60(1985)年代に入ると校内暴力や非行の嵐が治まったかに見えました。
部活動を主体とした生活指導が功を奏したのでしょうか。
いや、残念ながらそうではありませんでした。
どうやって訴えたら、この悶々とした思いから抜け出せるのか
納得のいく回答を得ることができるのか。

親の体験でも話してくれればいいのにと期待する気持ちは益々募るばかり。
しかし、学校でも地域でも周りからは内面の混乱を整理できるような
的確な対応を得られないばかりか、
自分づくりをしていこうとする成長のための主体性を殺ぐような、
本質を外れた的外れな枝葉末節的矯正や、
勉強して成績さえ上げればよければいいという常識の枠にはめるだけだ。

思春期に在る者は、自分の内面に沸き上がるこの気持ちを
どうすればいいのかと真剣に生き方を探っていることなどどうせ分かってくれていない。
もう我慢ならない!一人で何とかしてみたいから、
余計な指図・お節介の人間関係はもういらないお断りだ。
だから学校へ行かない、家族とも話したくない!

しかしながらこのようなことに焦点を当てる動きは出てきませんでした。
平成10年頃から中学生や高校生年代によるいわゆる17歳問題が起こり始めました。
これに対して、根性が足りない、
甘やかすからこうなるのでもっと厳しく躾なければならない、
などと声高にいう「子育て経験者」が目立ち始めました。
皆様はどうお考えですか。

私はこのような状況の中では、折角の不登校の児童・生徒の訴えが生かされていない、
何時になっても思春期問題は燻ったままで、大人になりきれない若者が増えるばかりと、
退職金を資金に「子育てネットで健やか思春期・爽やか家族」事業を始めました。
平成12年もはじめの頃の子育て(思春期を含む)家族支援講座などへの参加者は、
まわりを気遣いながら、こっそりと目立たないように会場に入られる方もあり、
会場表示としてパンフレットをそのまま貼るのをはばかったりしたものでした。

いまでは嬉しいことに、友人を誘って申し込まれる方、
回を重ねるたびに家族を伴ってこられるようになる方など、
講座内容を自分一人のものとして参加するのではなく、
周りの人々と共有して人間関係に活かしていこうとする動きがでてきています。

参加型セミナーの形式を上手に生かし、テーマに関連して、
自然に自分自身を語り、自分自身の心のありようを整理し、
新たな方向を探り、発見し、実践をしていく自分探し、
自分づくりの場として定着しつつあります。
家族とともに元気な中学生が参加するようになって、
新たなコースを設定しようと計画中です。

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